子どものピアノ上達に欠かせない「ソルフェージュ」を現役ピアノ講師が解説

子どものピアノ上達に欠かせない「ソルフェージュ」を現役ピアノ講師が解説

子どものピアノ上達に欠かせない「ソルフェージュ」を現役ピアノ講師が解説

お子さんが音楽の習い事をしている方は、ソルフェージュという言葉を聞いたことがあるかもしれません。ソルフェージュとは、楽譜を実際の音と結びつけることです。楽譜を読む基礎になり、ピアノを上達するためには欠かせません。今回SUKU×SUKU(スクスク)では『横山美和ピアノ音楽教室』のブログより、ソルフェージュの練習方法や効果についてご紹介します!

習い事スクスク編集部

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今回教えてくれた人
横山 美和(よこやま みわ)
横山美和ピアノ音楽教室
横山 美和(よこやま みわ)
広島音楽高校、エリザベト音楽大学卒業。第5回九州音楽コンクール最優秀賞受賞他多数の受賞歴あり。これまでに県内外でソロ、室内楽の演奏会を開催。4歳からピアノを始め、指導歴18年。広島市内で❛GRIT❜やり抜く力を育てるピアノ教室をモットーにピアノ指導を行う。
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目次

なぜピアノにソルフェージュが必要なのか?

ソルフェージュとは、楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のことです。楽譜を読むための基礎知識であり、楽器を演奏するために必要な基礎能力だと横山先生は仰います。

横山先生

横山先生

ピアノを弾くには、楽譜が読めなければいけません。楽譜には「音、リズム、音楽記号」などたくさんのことが書いてあります。
 
文字が分からないと本は読めませんし、数字の概念がなければ計算問題を解くことはできません。
 
同じように、楽譜を理解する知識がなければ楽譜を読むことはできず、また同時に指を動かすなんて考えただけでも難しそうですよね。
 
ソルフェージュを勉強する一番の理由は、楽譜を読めるようにするためです。

コマーシャルなどでお馴染みの大手音楽教室でも、このソルフェージュに一番力を入れているそうです。そのくらい音楽教育では、音楽の基本であるソルフェージュが重要視されているんですね。

ピアノ教室のソルフェージュレッスン(入門編)

ピアノ教室で習うソルフェージュはどのような内容なのか、気になる親御さんもいるかと思います。ソルフェージュとはどのようなものか横山先生に解説していただきました。

①リズム:リズムは音の長さを表すもの

リズムの練習では、音符の組み合わせと、拍、テンポによってリズムをたたく訓練をするそうです。

横山先生

横山先生

初めは4分音符と2分音符など、簡単なリズムを一定のテンポで叩けるようになるまで繰り返します。このとき、リズムを声に出してたたくとよいですよ。
 
4分音符 「たん たん たん たん」
2分音符 「たーーあん たあーーん」
8分音符 「ティティ ティティ ティティ ティティ」

リズムたたきは、小さなお子さんでも楽しむことができるのだそう。楽器を使いながら親子でリズム遊びをするのもよいですね。

②読譜と視唱(音読みと歌うこと)

楽譜を読むことは、初心者の子どもにとって難しいと感じるところです。読譜の覚え方にはさまざまな方法があるのだそう。

横山先生

横山先生

基本的な「真ん中のドから順に覚える方法」で説明しますね。

こちらの画像は、横山先生の音楽教室で作成したドレミの階段です。

 

・上へ上がりながら「ドレミファソラシド」
・下へ下がりながら「ドシラソファミレド」
と、指差ししながら歌います。

横山先生

横山先生

このとき、ピアノを弾きながら音程に気を付けて歌いましょう。音の高低もあわせて理解をすることが重要です。
 
そして五線譜に入り、順にドから上へ、ドから下へと覚えていきます。初めは「ト音記号のドとレ」「ヘ音記号のドとシ」の2音が分かりやすいですよ。

読譜を理解するには個人差が出ますが、とても重要なところなので時間がかかっても丁寧に習得していくことが大切と横山先生は仰います。

 

ピアノ嫌いになる原因の大多数は、読譜力の乏しさなのだとか……。基礎をしっかり固めて、次に進めるようにしていきたいですね。

③聴音(音を聴き取る)

ピアノで弾いた音が分かる「絶対音感」に憧れたことがある親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。絶対音感の習得にも繋がる「聴音」の練習方法について、横山先生は次のように仰っています。

横山先生

横山先生

初めはピアノのあとに続けて歌うことを繰り返します。次に2~3音のフレーズを聴き、音を当てる練習をします。徐々に音の数を増やしたり、和音(2つ以上の音を同時に鳴らす)を混ぜて行います。
 
最終的には12小節程度の曲を聴き取り、五線譜に書き写していくことができるようになります。
 
聴音は、絶対音感を習得するという以外にも、暗譜が早くなる、和声感が身につくなど良いことづくしです。そして「聴く」という行為を繰り返すことで集中力を養うことができますよ。

④楽典 音楽理論

楽典・音楽理論とは、音楽用語、音楽の形式、和声法、歴史など、たくさんあります。国語において文章に決まりがあるように、楽譜もさまざまなルールに基づいて作られているそうです。

 

音とリズムが分かれば演奏できるということはなく、ルールを知り、そこから物語を読み解くように自ら曲を読み解いていくのだとか。

横山先生

横山先生

最初は「楽語」と呼ばれる、楽譜上に書かれたさまざまな指示記号を覚えることから始まります。
 
音の大きさを表す強弱記号
フォルテ、ピアノ
曲の速さを表す速度記号
アレグロ、モデラート
奏法に関する記号
アクセント、スタッカート
フレーズに関する記号
スラー、タイ

これらは、あくまで一例であり、楽語も一冊の辞書になるくらい無数にあるのだそう。また歴史を知ることも重要だと、横山先生は仰います。

横山先生

横山先生

クラシック音楽は、大きく分けて4つの時代があります。
 
・バロック時代(1600~1750年頃)
・古典派時代(1750~1827年)
・ロマン派時代(1827~1920年頃)
・近現代(1920年頃~)

 
時代や国によって形式や奏法が変わるので、小さなお子さんでもイメージを膨らませて演奏することはとても大切です。

ときにはお姫様の気分で弾いてみたり、曲に合った役柄で演奏するもの楽しそうですね。その時代にタイムスリップしたつもりで想像を膨らませてみてはいかがでしょうか。

ソルフェージュは音楽の基礎

横山先生曰く、ソルフェージュは音楽の基礎、根っこの部分なのだとか。根がしっかりしていないと、植物は成長することが難しくなりますよね。音楽も同じなのだそう。

横山先生

横山先生

ソルフェージュ力を鍛えることが、ピアノの上達には不可欠です。
 
根っこの部分をしっかり鍛えることで音楽性が育まれ、より豊かな演奏ができるようになりますよ。

ピアノの上達を目指す前段階として、音楽の基礎となるソルフェージュに力を入れている音楽教室もあります。根っこの部分をしっかりとさせて、お子さんの可能性を伸ばしてあげたいですね。

まとめ

せっかく音楽をやるなら、楽しくやって欲しいですよね。ピアノの練習に取り掛かる前に、音楽の基礎であるソルフェージュ力を上げるとピアノ嫌いになることを防げるかもしれません。

 

また、親御さんも一緒に音楽に取り組んでみると、お子さんが「音楽は楽しい」と感じることが増えるかもしれませんね。親御さんの余裕があるときに、一緒に音楽を楽しんでみてはいかがでしょうか。

今回ご協力いただいた教室

今回、取材にご協力いただいた『横山美和ピアノ音楽教室』の詳細は以下のリンクからご覧ください。

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