平泳ぎ専門サイト『Swimming Tricolor』を運営している平泳ぎ太郎さんによると、スイミングスクールでクロールと背泳ぎが泳げるようになって「うちの子、水泳得意かも」と思っていたところ、平泳ぎクラスで急に進級できなくなくなることも多いのだとか。今回、習い事スクスクでは平泳ぎ太郎さんに平泳ぎ習得において最初の壁とも言われている「あおり足の原因と改善のコツ」を解説していただきました。
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目次
平泳ぎを習い始めると、「あおり足」という言葉を耳にすることがあります。しかし、普段から水泳に親しんでいない親御さんにとっては初めて聞く言葉かもしれません。
まず「あおり足」とは具体的にどのような動きを指すのか、そして子供がそのような動きになっているかをどう見分ければよいのか、という点について解説していきます。
平泳ぎ太郎さん
「あおり足」が平泳ぎを習得するうえでなぜよくないのか、その理由についても分かりやすく説明しますね。
「あおり足」とは、足の甲で水を蹴ってしまう動作を指します。水泳初心者の子供によく見られ、平泳ぎ独特のキック動作にまだ慣れていないと起こりやすい動きです。
水泳にはバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロールという4種類の泳法がありますが、平泳ぎ以外の3種目は足の甲で水を蹴る動作が基本です。
一方、平泳ぎは足の裏で水を蹴る動作が基本になります。平泳ぎを初めて習う子供はその違いに戸惑い、あおり足になってしまうことが多いのです。
そのため、あおり足は平泳ぎ習得において最初の壁と言われているのです。
平泳ぎ初心者の子供があおり足になるのは、成長段階での自然な現象です。なぜなら、水中での足の動かし方が未熟なことに加え、足首の柔軟性や筋力もまだ発達途中だからです。
あおり足の主な原因は、足首が十分に曲がらないことや体の動きをスムーズに連動させられないといった身体的な特徴によります。親御さんがこれらを理解しておくと、子供の課題に合わせたサポートができるでしょう。
コーチに相談して具体的なアドバイスをもらったり、家庭でも柔軟性を高めるために一緒にストレッチしてみたりするのもおすすめです。
平泳ぎ太郎さん
あおり足はスイミングスクールで順調に進級してきた子供に突然現れる大きな壁です。親御さんも「うちの子水泳が得意だと思っていたのになんで?」と不安になるかもしれません。
しかし平泳ぎのあおり足でつまずいてしまうことはよくあることなので、恐れなくても大丈夫です!まずは子供と一緒に解決法を考えてあげましょう。
では、実際に子供があおり足になっているかはどのように見分ければよいのでしょうか。もっとも簡単で効果的な方法は、子供が泳いでいる姿をうしろから観察することです。
この見分け方は、泳ぎのフォームをチェックする際に便利ですが、慣れないうちは見逃してしまうこともあります。そのため、泳いでいる姿をうしろから動画で撮影して、あとからしっかり確認するとよいでしょう。
平泳ぎ太郎さん
うしろから観察して、キックの瞬間に足の甲が見えていれば「あおり足」の状態と言えます。一方で、足の裏が見えている場合は正しいキックができている証拠です。
「あおり足」を直したほうがよい理由は、競技においてルール違反にあたるためです。
平泳ぎのキックは足の裏を使って水を蹴ることが決められており、足の甲を使う動作はルール上認められていません。この規定は、日本水泳連盟の競技規則第7条第5項に明記されています。(参考:日本水泳連盟 競技規則第7条第5項)
あおり足はルール違反になるだけではなく、平泳ぎのパフォーマンスを著しく低下させます。足の甲で水を蹴ると、前進するための推進力が十分に得られません。その結果、エネルギーを無駄に消費してしまい、スピードも落ちてしまうのです。
あおり足を改善することは、平泳ぎのフォームがよくなる以外に他の泳法にもよい影響を与えます。足首の柔軟性や体幹が向上するため、クロールやバタフライのキック力も自然と強化される可能性があるのです。
つまり、あおり足を直すことは水泳全般の技術向上につながるのです。
平泳ぎ太郎さん
あおり足の改善は、平泳ぎを上達させるうえでとても重要です。平泳ぎは全身のバランスやリズム感を養い、基礎をしっかりと身につけることで将来の水泳技術全般にもよい影響を与えます。
一方で間違ったフォームを習得すると修正が難しく、競技を楽しむ気持ちが損なわれる恐れもあります。あおり足を改善することは子供がより楽しく水泳を学ぶための第一歩なのです。
平泳ぎのキックは「足を引きつける」と「足を蹴り出す」という動作に分けられます。このうち、あおり足が発生する主な原因は「足を引きつける」動作にあります。以下では、あおり足になってしまう原因と改善するコツもあわせて解説していきます。
足を引きつける際に足首が曲がっていないことは、あおり足によくある原因のひとつです。足首がしっかり曲がっていないと、足の甲で水を蹴ってしまいます。
足首が曲がるようにするには、柔軟性を高めることが大切です。普段からストレッチや足首の運動を取り入れると改善につながります。
平泳ぎ太郎さん
初心者はキックの正しいフォームを意識することが難しいので、コーチや親御さんが適切な指導を行い、足首を曲げるポイントを繰り返し教えることも大切です。
水中で体が緊張していると、足首を曲げる動作が難しくなってしまいます。子供がリラックスした状態で平泳ぎを練習できるよう、落ち着いた環境づくりや入念なウォーミングアップを心がけることが大切です。
足を引きつけたときに両足の間隔が狭いと、蹴り出す瞬間に水が足の甲に当たり、結果として足の甲で水を蹴ってしまいます。引きつける際は足の甲に水が当たらないようにするために、両足を自然に開くよう意識しましょう。
適切な角度で開いているかどうかは、コーチや親御さんにチェックしてもらうのがおすすめです。
平泳ぎ太郎さん
足の開きすぎも要注意です。キック動作が不自然になり、次の蹴り出しに負担がかかってフォームが乱れてしまいます。スムーズな動きを習得するには、繰り返しの練習が大切です。
正しいフォームでキックをするためには、膝や腰の動きともうまく連動していることが大切です。全身を使った動きを身につけるためには、陸上での練習や鏡を使ったフォーム確認なども有効です。
初心者の場合「しっかり足を引きつけよう」という意識が強くなりすぎて、必要以上に引きつけてしまうことがあります。お尻にかかとを近づけすぎると、足を蹴り出した瞬間に足の甲が水に当たるため、あおり足になるのです。
平泳ぎ太郎さん
足を引きつける際は、お尻とかかとの間を約30cmに保つことが理想です。この距離を意識すれば、足の甲が水に当たらずに正しいキック動作が身につきます。
今回は平泳ぎの最初の壁「あおり足」について「あおり足の基礎知識」と「あおり足になってしまう原因」を解説していただきました。解説いただいた平泳ぎ太郎さんが運営しているSwimming Tricolorではこれ以外にも、平泳ぎのことについて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
今回取材にご協力いただいた、平泳ぎ太郎さんが運営する『Swimming Tricolor』の詳細は以下のリンクからご覧ください。
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