平泳ぎ習得において最初の壁とも言われている「あおり足」。平泳ぎ専門サイト『Swimming Tricolor』を運営している平泳ぎ太郎さんによると、あおり足の改善はスイミングスクールと家庭での練習を組み合わせると効果的なのだとか。そこで今回、習い事スクスクでは平泳ぎ太郎さんに「家でもプールでもできるあおり足の改善方法」を解説していただきました。
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目次
「あおり足」とは、平泳ぎの際「足の甲で水を蹴ってしまう動作」のことです。水泳には4泳法(バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロール)ありますが、平泳ぎだけが足の裏で水を蹴る特殊な泳ぎ方で他の3種目は足の甲で水を蹴ります。
そのため、平泳ぎを初めて習う子供は水の蹴り方の違いに戸惑い、つい「あおり足」になってしまうことが多いのです。
平泳ぎ太郎さん
「あおり足」は、水泳初心者の子供によく見られる自然な現象と言えます。
あおり足を見分けるには、子供が泳ぐ姿をうしろから観察するのがもっとも簡単です。判断のポイントは以下のとおりです。
・キックの瞬間に足の甲が見えている
→ 「あおり足」の状態
・キックの瞬間に足の裏が見えている
→ 「正しいキック」ができている
この方法は誰でも簡単にチェックできますが、キックの瞬間を見逃さないようしっかり観察することが大切です。
平泳ぎの競技において、キックは足の裏を使って水を蹴ることが決められています。足の甲を使う動作は、ルール上認められていません。
あおり足は、単にルール違反というだけでなく、平泳ぎのパフォーマンスも低下させてしまいます。足の甲で水を蹴ると、前進するための推進力が弱くなるため、余分なエネルギーを消費しやすくスピードが落ちてしまうのです。
平泳ぎ太郎さん
あおり足は、試合に出場しない平泳ぎ初心者にとっても克服すべき重要なステップなのです。
あおり足の改善は、スイミングスクールと家庭での練習を組み合わせるのがおすすめです。スクールでの練習時間は限られているため、自宅でもできる練習を取り入れるとより早く上達が期待できます。※プールでしかできない練習方法も含まれます。
平泳ぎ太郎さん
子供だけでも取り組める練習方法なので、ぜひ試してみてください!
■足裏からタオルを落とさないようにする
平泳ぎでは、足裏を上に向けたまま足をお尻に近づけることが重要です。この練習ではタオルを使ってその動きを習得します。
1.足の裏にタオルを載せる
2.タオルを落とさないように足をひきつける
3.タオルを落とさないように足を元の場所に戻す
平泳ぎ太郎さん
足裏からタオルが落ちてしまう場合は、足を上に向けたまま足が引きつけられていないという証拠です。そのような場合は、タオルではなく本を使うと足裏を上へ向けやすくなります。
■がに股ジャンプ
平泳ぎでは、ひざを外側に向けて足を動かすことが重要です。この練習では、ひざを外側に向けて足を引きつけ、そこから足に力を入れていきます。日常生活では行わない動きなので、ひざを外側に向ける感覚はこの練習でつかむのがおすすめです。
平泳ぎ太郎さん
ひざを曲げたときに、ひざが内側に向きやすいので注意しましょう。
1.肩幅より広めに足を開いて立つ
2.ひざを曲げる
3.ジャンプする
■ひざ裏にボールを挟む
この練習は、平泳ぎで足を引きつけすぎないようにするものです。足を引きつける際、かかとがお尻に近すぎると蹴り出す瞬間に足の甲に水があたりやすくなり、あおり足になってしまいます。
ひざ裏にボールを挟むとボールの直径分だけ足を引きつけなくなるので、よい練習になります。
1.ひざ裏にボールを添える
2.足を引きつける
■足首をL字に曲げる
平泳ぎでは、足を引きつけたときに足首を90度に曲げることも重要です。90度に曲げないと足の甲に水が当たりやすくなり、あおり足になってしまいます。
平泳ぎ太郎さん
足首を90度に曲げる動作は、日常生活でなかなか行いません。そのためこの練習で足首を90度に曲げる感覚をつかみましょう。
1.足首に力を入れずに座る
2.足首を曲げてL字にする
■足首をV字に曲げる
この練習では、足を外旋(がいせん)させます。外旋とは、指先が外側に向くように足を動かす動作です。
平泳ぎでは足を外旋させることも重要になります。なぜなら外旋させると指先が外側を向いて、足の裏や足全体の内側で水を蹴ることが簡単になるからです。
1.足首に力を入れずに座る
2.足首を曲げてL字にする
3.両足でV字にする
■アヒル歩き
この練習は足を外旋させた状態、つまり指先を外側に向けた状態で足を動かす練習です。平泳ぎで正しく足を動かすためには、足を外旋させた状態で動かすことが重要です。
1.両足を開く
2.両足を開きながら歩く
■プールサイドに座ってキック
平泳ぎを習う前まで、子供は足の甲で水を蹴るよう指導されているため、足の裏で水を蹴る感覚が養われていません。この練習では、プールサイドに座って正しく水を蹴る感覚をつかみます。
1.両足だけプールに入れてプールサイドに座る
2.平泳ぎのキックをする
■アシスト付き壁キック
この練習では、安定した姿勢をキープしながら正しい足の動かし方を学びます。水中での不安定な姿勢のなか、4泳法のなかでもとくに足の動きが複雑な平泳ぎを練習することは難しいものです。さらにあおり足を改善するともなれば、なおさらでしょう。
ぜひコーチや親御さんがアシストするキック練習も試してみてください。
1.壁に手をついて姿勢を安定させる
2.アシスタントが足を持つ
3.アシスタントが正しい足の動きになるようにアシストする
■ビート板キック
この練習では、実際に平泳ぎをするときと近い形で正しい足の動かし方を習得できます。ビート板を使うことにより姿勢が安定するので、初心者の子供でも足の動きに集中しやすいのがメリットです。
1.ビート板を持って伏し浮きする
2.平泳ぎのキックをする
子供の練習意欲を高めるポイントは、プレッシャーを与えない声かけにあります。「なんでできないの?」という焦りを感じさせる言葉は避け、代わりに「少しずつできてきたね」「今日も頑張ってるね」といった励ましの声をかけてあげましょう。
平泳ぎ太郎さん
このような肯定的な声かけにより、子供は安心して練習に取り組むことができ、やる気や自信も育まれていきます。
陸上での練習は、水中と違って動きを確認しやすいため、子供も正しい感覚をつかみやすいものです。親御さんが子供の足を優しく動かしながら、正しい膝の角度や足首の動きをサポートしてあげましょう。
平泳ぎ太郎さん
とくに気をつけたいポイントは、膝を曲げすぎないことと足の裏を外側に向けることです。
子供が楽しみながら練習を続けるには、ゲーム感覚で学べるような工夫が大切です。たとえば「ビート板を使って10回正しいキックができたらごほうび」といった小さな目標を設定することで、単調な練習も楽しい挑戦に変わります。親子でプールに出かけて、一緒に遊びながら練習することもおすすめです。
あおり足の改善は、焦らずじっくり取り組むことが大切です。親が見守る姿勢を保つことで、子供は「失敗しても大丈夫」という安心感を得られます。
「今日はここまででOK」と区切りをつけ、子供の体力や意欲に合わせて練習を進めましょう。このような段階的な取り組みが確実な上達につながり、親子の信頼関係も育みます。
平泳ぎ太郎さん
失敗が続いたときも焦らず「一緒に頑張ろう」と声をかけることで、子供のモチベーションが下がるのを防げます。
練習の中で、子供が「できた!」と感じる瞬間を増やすこともモチベーションを高めるために必要です。練習後に「今日は膝を曲げずに蹴ることができたね」と具体的に褒めてあげると、子供は達成感を感じ、次の練習にも意欲的になります。
あおり足の改善が思うように進まない場合は、スイミングスクールのコーチや専門家に相談するのもひとつの方法です。正しい指導を受けることで、効率的に問題を解決できます。
親御さんだけで問題を抱え込まず、時には専門家の意見を取り入れてみると子供も安心して練習に取り組めるはずです。
今回は「平泳ぎのあおり足を改善する具体的な練習方法」について解説していただきました。解説いただいた平泳ぎ太郎さんが運営しているSwimming Tricolorではこれ以外にも、平泳ぎのことについて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
今回取材にご協力いただいた、平泳ぎ太郎さんが運営する『Swimming Tricolor』の詳細は以下のリンクからご覧ください。
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