2023.05.31 教室からのお知らせ

ラボ・ライブラリーキャンペーン【ラボで身につく豊かな英語力】

ラボ・ライブラリー☆キャンペーン

夏と冬、年に2回のライブラリー特別購入の時季がやってきました!
ライブラリー(絵本や物語の本と音声のセット)はラボ活動の柱である「テーマ活動(英日バイリンガル劇)」には不可欠です。

1セット通常1万円ですが、今回10%割引になるのは


「わんぱく大将トム・ソーヤ The Prince of Mischief」GT-11(全国推奨)

「ジャックと豆の木 Jack and the Beanstalk」SK-10(パーティ推奨)


の2セットです。それぞれのセットに含まれる絵本等の詳細は。文末のリンク(ラボ公式HP)よりご確認ください。

その他にも、会員の皆さまにはそれぞれのお子さんにおすすめのライブラリーをリストにしてお渡ししますので、ご検討ください。パーティ内申し込み締め切りは6月9日(金)です。申込書の提出、よろしくお願いします。


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 子どもは人と出会ってことばを交わすことで,多くのことばを経験することができます。また絵本や物語に出会うことでも,子どもは多くのことばを吸収していきます。ライブラリーキャンペーンのこの時期、ことばの習得に絵本や物語が適していること、またテーマ活動でやりとり(インタラクション)しながら身につけることばについて、改めてお伝えしたいと思います。少し長いので、お茶でも片手にゆっくり読んでいただけるとうれしいです(^^)


■物語のなかで知ることば■

 子どもは物語のなかから多くのことばを学んでいます。絵本や物語にあることばには,子どもの日常生活にはないことばもたくさんあります。たとえば「いちもくさん」。ある子はこれを年中のころ「3びきのくま」という絵本の中で主人公の女の子がくまの家から「いちもくさんに にげました」というくだりで自然におぼえました。

 
 また物語のなかには,世界中の文化を知ることばもあります。ラボ・ライブラリーの『たぬき』を知っている子どもは,先日のイギリスのチャールズ国王戴冠式に登場していた「Guard(衛兵)」を知っていたことでしょう。WBCでラーズ・ヌートバー選手がセントルイス・カージナルス所属だと知った際には,『わんぱく大将トム・ソーヤ』を思い出し,アメリカの真ん中にある町だと気づいたことでしょう。


 わきめもふらず一心に駆けることことが「いちもくさん」,イギリスの王室の警備をしているのは「Gurad(衛兵)」,セントルイスは「ミシシッピ州の大きな町で,アメリカのほぼ真ん中に位置する」といったように,ひとつひとつのことばを意味や定義として覚えているわけでは,けっしてありません。ラボでもテューターが,「Guard(衛兵)というのはですね……」「セントルイスの位置は,トムが住んでいた町から南に約190キロメートル行ったところで……」などと教えることはありません。

 
 子どもは教わらなくてもことばを身につけていくことができます。教えていないことばをなぜ覚えることができるのでしょう。

 
■心動かされるから身につくことば■

 
 『三びきのやぎのがらがらどん』は子どもに人気の絵本です。英語はシンプルですが,心地よいリズムがあります。訳者の瀬田貞二氏(児童文学作家,翻訳家,児童文学研究者)の日本語は,日常生活で使うことばでもなく,幼児向きのことばでもありませんが,英語の文体に沿うような語り口のいい日本語訳です。子どもに人気の絵本は,原作の英語も,日本語訳もすばらしいことばの選択で作られています。

 ことばの選択もそうですが,なによりもその内容に子どもの心は動かされます。三びきのやぎが,トロルに立ち向かう冒険にハラハラドキドキしながら。子どもは何度もくり返し聞きたくなるのです。この心の動きこそが,子どものことばを生むのではないでしょうか。


 絵本のことばについて,故松居直氏(まつい・ただし/元福音館書店相談役,児童文学編集者)は著書のなかで,「(子どもが絵本をそらんじることができるのは,)記憶力がいいといった程度のものではなく,その絵本の語りを耳にする歓びが,聞き手の子どもの生命に火をともして全身全霊を活性化させ,歓びのことばを”食べさせてしまう”のです」といっています。
 

 子どもによって絵本や物語は「歓び」です。その歓びこそがことばの原動力となるのです。「歓びなくして,ことばの習得はなし」といっても差し支えないでしょう。成長して学校で学ぶころには,身につけて使える,使って思考する(考える)「歓び」が伴ってきます。学校で勉強して身につけることばも,ある意味「歓び」といえるのではないでしょうか。
 

■テーマ活動のことば■

 
 先ほど「子どもは教わらなくてもことばを身につけていくことができる」と書きました。これをアメリカの言語学者ノーム・チョムスキーは,「刺激の貧困」と提唱しています。私たち大人も,教えられたことばばかりを使用していません。教えられないことばや文法も,みずから身につけていくことができるのです。

 
 みずからことばを身につけていくのに不可欠なのは,言語環境です。人間は日本語なら日本語,英語なら英語,スワヒリ語ならスワヒリ語の環境に育てば,その言語を身につけられます。また豊かな言語環境にいれば,より豊かな言語を身につけることができますが,粗野な言語に囲まれたりして育てば,それなりのことばしか身につけられません。


 ここでラボ・パーティのテーマ活動の出番です。テーマ活動は題材が絵本や物語ですから,子どもは「歓び」を感じながら,多くのことばをみずから身につけていくことができます。それもとても豊かなことばです。豊かなということは「多い」ということだけでなく,「表現が美しい」「奥深い」「日常生活では出会わない」「対象年齢を限定しない」「文化や年代などの多様性をふくむ」などという意味もあります。

 
 さらにはその物語のことばを,耳で「聞く」ことができるのが,ラボ・ライブラリーです。『わんぱく大将トム・ソーヤ』では,トムを中心とした登場人物の生き生きとした会話(ときには落胆もしますが)で物語は進みます。この物語のなかで,子どもはあくまでも生き生きと自由で,それとは逆に,大人は子どもを押さえつける存在です。そのことは物語に書かれてはいませんが,音声で聞くとより伝わってきます。文字で読んだ場合,音声ほどは感じることはできないでしょう。

 
 いま学校の英語教育でも音声を重要視していますが,ラボ・ライブラリーほどの喜怒哀楽を感じられる英語音声を,学校で聞くことはほぼありません。喜怒哀楽といった感情を伴った英語を「聞く」から,同じように感情をともなって声にして「話す」ことができるのです。実際の会話に必要なのは,話者の感情や思考を伴った英語です。トムが仲間とケンカをするシーンの迫力を伴った音声表現は,「実際に英語を使用する際に役立つ」と,海外で長いこと仕事をしてきたラボOBが話していました。「迫力があったり,ときには弱々しい英語(音声)を(自分が)使えるのはテーマ活動のおかげ。それが実際のビジネスの場で生きてくる」と。

 
 ラボ・パーティでは,絵本や物語を題材に,テーマ活動という方法で,「聞いて」「話して」をくり返し,みずから身につけていく英語習得を可能にします。テーマ活動によってことばをたくさん経験することになり,将来的には豊かな言語を身につけた,豊かな人生へと子どもを導くのです。



どうぞ今回のライブラリー・キャンペーンを機に、お子さんがたくさんのことばや物語にふれられる環境を、より一層整えてあげてください。

〔参考図書〕『声の文化と子どもの本』松居 直(日本キリスト教団出版局)

ラボ・ライブラリー一覧
https://www.labo-party.jp/book/list.html