2023.08.31 つぶやき

『聖なる大地をともに歩こう-シアトルのことば』

☆“Forever Walking In This Sacred Land-What Seattle Said”

ライブラリー『聖なる大地をともに歩こう-シアトルのことば』から思うこと~
このスピーチを聴いての始めの印象は、素晴らしい心の持ち主、聴衆に語りかけているし、かつ自分にも問うている。現在の政治家に聴かせたい。志の方向、レベルが違うと思った。

 アニミズム₌自然崇拝に近い世界観、宗教観(自然界のそれぞれのものに固有の霊が宿るという信仰)が全文に満ちあふれている。

ネイティブアメリカンは土地の所有という考え方が無い。アメリカのフロンティア開拓のために土地を奪われた。この事実は彼らにとって抵抗する理由にたる。 「涙の旅路-涙のロングウォーク」でアメリカ政府は、案に先住民族の口減らしを計ったようだ。アメリカ史上最悪の汚点だと言われている。

参考に「リトル・トリー」フォレスト・カーター作と「千の風」新井 満 作を読んだところ、いろいろな発見があった。2作ともネイティブアメリカンの物語、前者は祖父と孫の日常から教育された作者自身の自叙伝、後者は作者不明であるが欧米でとても有名な詩であって、詩がアニミズム、少数民族のことば、英語で書かれてあることからネイティブアメリカンのものだと推測されると書かれてあった。

両作品に「涙の旅路」について述べられてあったことも含めて、シアトルのスピーチの重みと神聖さと彼の心情はいかなるものと心が痛む。 また、シアトルは本当に納得してこのスピーチを語っているのか考えた。スピーチの内容から疑問がどんどん膨らみ調べたくもなった。 先住民族として12000年前から住んでいる土地なのに、少数になってしまった部族は時代の流れから、手放すことに、、、なんとも誇り高き人々は何処へ行けば良いのか、初めはアメリカの民として遇されると言われたが、結局は西へと追いやられ、多くが亡くなり力も弱くなっていったわけで、あんまりだと嘆くしかないのか。

“In the evening they return us shadowy spirits. And when the last of us shall have disappeared from the earth, and the memory of us shall have become a myth, the invisible dead of my people will still be standing on these shores.

夕暮れ時になると、彼らは影のような精霊として帰ってくる。我々の最後の者がこの地上から姿を消し、我々の記憶がひとつの神話となってしまった後にも、我々の人々の姿なき精霊たちは、この岸辺にじっと立っていることだろう。(本文引用)

  …この言葉から部分的ではあるが、何か感じ取れるものがありそうだ。 シアトルは納得している訳ではない。 ただ、「戦いは繰り返されてはならない。平和の方がいい。」と言う事か。

 充分にこのスピーチから学ぶことが出来るかは、これからだがとてつもなく難題です。

                                奥野峯子

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