挨拶や礼儀が身につき、護身にも役立ちそうなどの理由で習い事として人気の高い柔道や空手。それぞれの違いはなんとなく分るものの、ママパパに経験がないとどちらのほうが子どもに向いているのか判断が難しいかもしれません。そこで今回SUKU×SUKU(スクスク)は、柔道・空手ともに黒帯を取得し、極真空手世界大会3連覇の実績をもつ極真空手家である纐纈(こうけつ)さんのYouTubeに注目!柔道と空手それぞれの特徴やメリット・デメリット、よい道場の選び方などについて紹介します。
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目次
柔道では、突いたり蹴ったりするような打撃が禁止されています。道着をつかんで投げ技や固め技を掛け合わせ「一本」や「技あり」「有効」をとっていくことで、勝敗を決めるのが特徴です。
纐纈さん
柔道の練習は、受け身や投げ技、寝技といった相手の道着を掴んで行う練習が中心で、パンチやキックなどの打撃は反則行為になります。
柔道が打撃禁止なのに対して、空手は「突き」や「蹴り」といった打撃で相手と勝負します。練習内容も、突きや蹴りによる打撃の攻防が中心です。
纐纈さん
空手では、柔道のように相手をつかんで投げる行為を禁止している流派がほとんどです。
「道着を着用した武道」という点ではどちらも同じですが、根本的に柔道と空手ではやることもルールもまったく異なります。
柔道を習っていたことで、受け身をとる癖がつき大ケガを免れた経験があるという纐纈さん。かつてどのようなことがあったのか、YouTube内で紹介しています。
纐纈さん
高校3年生のとき、自転車事故にあってしまいました。ただし自転車から落ちる際、とっさに受け身をとれたため軽いすり傷で済みました。これは柔道で受け身をとる練習をしてきたおかげです。
受け身が習得できると、空中にいるとき自分の体がいまどのような向きで、どう着地すればよいかが感覚的に分かるようになり、その能力が咄嗟の場面で体を守ることに繋がります。
柔道では、軽い擦り傷は少なくないものの頻繁にケガをする事はないと仰る纐纈さん。しかし投げ技や受け身を失敗することで、関節やじん帯といった大きな怪我をしてしまうことがあるそうです。
纐纈さん
柔道では、稀に後遺症が残りかねないような大きなケガをしてしまうリスクがあります。指導者の指示をよく聞き、練習でも無理はしないように気をつけてください。
また柔道は女性の割合が少ないことから、小さい道場では男性と寝技の練習をする場合もあります。思春期になると抵抗が出てくる場合もあるので、道場の男女比や練習方法を事前に確認しておくことも大切です。
空手では、蹴りで足を高く上げたり決められた型にそって体を動かすなど、日常生活では行わないような動きが多くあります。
纐纈さん曰く、そのような練習を積み重ねていくと体をコントロールする力やバランス感覚が育まれるのだそうです。その結果、運動能力自体もアップするのだといいます。
纐纈さん
人間の脳は、ほかのどの運動指令よりも「失ったバランスを取り戻すこと」を優先的に使用します。
これは脳が「体のバランスを崩す」=「転倒のリスクがある」=「生命の危険」と判断するからです。
つまりバランス感覚が低いとほかの能力は発揮されないのですが、バランス感覚を高めれば脳の力はほかの動きに使えるため、運動能力は上がりやすくなります。
空手で一番多いケガは打撲だと仰る纐纈さん。相手からの攻撃でケガをするのかと思いきや、そのようなケースは少ないのだそう。
纐纈さん
もちろん相手の突きや蹴りでの打撲はありますが、じつはそれよりも片足動作で転倒したり、自分の突きや蹴りで相手の肘や膝を蹴るときのほうが、打撲や骨折のリスクは高いんです。
ケガのリスクを抑える打撃法もあるので、先生の指導をよく聞き、練習を重ねて習得していくとよいでしょう。
子どもに柔道や空手などを習わせようと思ったら、事前に知っておいてほしいことがあると仰る纐纈さん。命にも関わる問題でもあるので、親御さんは必ず把握しておいてほしいそうです。
纐纈さん
柔道は投げられたとき、空手は蹴られたときなどに脳震盪(のうしんとう)を起こすリスクがあります。
1回の脳震盪が命に関わることはめったにありませんが、短期間で2回以上脳震盪を起こすと、セカンドインパクトシンドロームといって命に関わる重篤な症状を引き起こすリスクが極めて高くなります。
そのほかにも、胸部に打撃を受けて心臓が停止してしまう心臓震盪(しんぞうしんとう)のリスクがあることも、必ず知ってほしい知識です。
纐纈さん曰く、このようなリスクが知られるようになったのはここ10年程だそう。安全に関する勉強をしていない指導者は、このリスクを知らない場合もあるそうです。
武道を習う際は、セカンドインパクトシンドロームや心臓震盪(しんぞうしんとう)の知識があり、対策もとっている指導者を選ぶのが安心だと纐纈さんはアドバイスしています。
纐纈さん
とくに心臓震盪は、サッカー、野球といったスポーツや学校での遊びの最中でも症例があるため、多くの方に知っていただきたい知識です。
武道に限らず習い事を選ぶ際は、送迎のことを考えると自宅から近い教室を優先したくなりますよね。
しかし習い事は子どもの一生に非常に大きな影響を与えるため、多少遠い教室でもよさそうであれば見に行って、教える内容や指導方針、子どもとの相性などを確認してほしいと纐纈さんは仰います。
纐纈さん
とくに道場を選ぶ際は、出入口に置いてある靴がきれいに並べられているかも重要です。
靴がバラバラに置いてある道場は、子どもたちに礼儀作法をしっかり指導できておらず、武道の結果さえよければOKと考えている可能性があります。
習い事選びにおいて、家から近かったり強い選手が多かったりすることも魅力的です。ただし子どもに礼儀や挨拶などのマナーもしっかり身につけさせたいのであれば、実際に現場を見て、きちんとできているか確認することも大切だといえます。
纐纈さん
挨拶や礼儀を重視される場合は、日頃から家庭内でも意識することが必要です。
道場だけで気をつけるのではなく日常的な習慣とするためにも、親御さん自身も子どもの見本となるよう日頃の挨拶や礼儀に気をつけてくださいね。
柔道と空手で、競技上の共通点はほとんどありません。しかし1人で相手に向かう度胸や礼儀が身についたり、個人競技ならではの自己成長を楽しめたりする点は同じです。
どちらを選んでも得るものは多いので、子どもの興味や意志を確認しながら吟味してくださいね。
今回取材にご協力いただいた、纐纈卓真さんの詳細は以下のリンクからご覧ください。
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