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プロ棋士 森内俊之九段が解説!先輩ママが子どもの習い事に将棋を選ぶワケ

藤井聡太七段の大躍進に加えて、国民栄誉賞を受賞した羽生善治九段、そして「ひふみん」の愛称で親しまれている加藤一二三さんの人気もあり将棋はいま人気上昇中!
今回SUKU×SUKU(スクスク)は、将棋の総本山ともいえる日本将棋連盟に取材を敢行!さらに今回は特別に、日本将棋連盟専務理事にしてご自身もプロ棋士として数々の名局を指してこられた、十八世名人資格保持者の森内俊之九段にお話を伺いました。子どもの習い事としての将棋の魅力や、将棋で遊ぶことによる変化など、森内九段直々にたっぷりと分かりやすく解説していただきました♪(2019.5.16公開記事)

SUKU×SUKU編集部
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今、将棋がアツい!子どもの習い事に将棋の選択肢はアリ?

将棋といえば現在、藤井七段の躍進や羽生九段の国民栄誉賞受賞、そして「ひふみん」の愛称でバラエティに引っ張りだこの加藤一二三さんの活躍に加えて、アニメ「3月のライオン」のヒットも相まって将棋が一大ブームです!

 

お休みの日には、将棋を始める子どもたちで将棋教室(道場)がいっぱいになっているのだそう。
JT(日本たばこ産業株式会社)とテーブルマーク株式会社が共催しているテーブルマークこども大会の参加人数は、なんと年間12000人!将棋の注目度の高さがうかがえますね。

年間12000人の子どもたちが大会に参加しています!過去には藤井聡太七段も出場していました|将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会

ですが中には、
「将棋は未経験だから、習い事の選択肢としてあまり考えていなかった」
 
「子どもにとって将棋がどう良いのか分からない」

 

なんてことを感じているママも多いかと思います。
というわけで今回SUKU×SUKU編集部は、将棋の総本山でもある日本将棋連盟に訪問し、疑問をぶつけちゃいました!

十八世名人資格保持者・森内九段が語る"将棋の魅力"

今回、SUKU×SUKU(スクスク)編集部がおじゃましたのは、日本一将棋に詳しい日本将棋連盟です!

冒頭でご紹介したとおり、SUKU×SUKU編集部に将棋の魅力を存分に語ってくださったのは、十八世名人資格保持者にして日本将棋連盟専務理事でもある森内九段です!

――森内さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします!
森内さん「よろしくお願いいたします!」

 

――まずは日増しに高まる将棋人気ですが、手ごたえはいかがでしょうか?
森内さん「おかげさまで、最近は良い状況になっていますね。藤井七段や加藤一二三九段の活躍など、将棋界では数多くのタレント性の高い棋士が出てきています。多くの棋士がメディアに取り上げていただくことによって世の中との距離が近くなっていますし、実際に『将棋を覚えて、指してみたい!』という方が増えて、どこの教室や道場もすごく盛況なんですよ。」

子どもにとっての将棋。専門家が解説!

――多くの子どもたちが将棋を始めているとのことですが、子どもたちが将棋を指すことでどういった効果が期待できるのでしょうか?
森内さん「『集中力』や『先を読む力』、そして『礼儀作法』などさまざまなものが身につきます。将棋は『礼に始まり礼に終わる』と言うゲームで、ゲームの始まりから終わりには3つの礼があります。始まりに『お願いします』。2つ目が特殊で、負けを認めるときの『負けました』。最後に『ありがとうございました』。この3つの礼が子どもたちの成長に大きく影響すると考えています。」

みんな対局の開始と同時に挨拶をしています|将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会

――3つの礼のなかでも特殊なのは自ら負けを認めることですよね。子どもたちにはなかなか難しいのではないかと思います
森内さん「自分の意思表示によって終了するゲームはあまりないと思います。将棋を始めて間もない子どもたちにとっては、ハードルが高くて受け入れにくかったりはするんですけれど、慣れてしまえばそれが自然とできるようになりますよ。」

――なかには勝てる場面を見逃して自ら負けを認めてしまう子もいるのでは?
森内さん「自分の勝ち筋を見逃してしまって、後からそれに気づき泣いてしまう子も中にはいますね。だからこそ次はそれを見落とさないように、驚くほど集中するようになるんです。」

子どもたちが指した棋譜をプロ棋士が解説!|将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会

――自ら負けを認める将棋ならではの成長と言えますね
森内さん「潔く負けを認めることはとても勇気がいることです。また対局を通して対戦相手から学ぶことで、対戦相手への敬意が芽生えるケースもあります」

駄々っ子も将棋で変わる!?将棋がもたらす変化とは

――『相手を待つ』というと?
森内さん「はい、将棋は相手が指さないかぎり、自分は何もできないゲームなんです。相手が指す手に対応していくので、なかなか自分の思い通りにいかないことが多いんですよ。なかにはそれを歯がゆく感じてしまう子もいるのですが、将棋を指し続けることで変わっていきますね」

――落ち着きがなかった子どもが、将棋を1年2年やって落ち着くようになった、なんてこともありますか?
森内さん「ありますよ!まさしく私がそれでして(笑)。将棋を覚えるまでは、すごくやんちゃで、例えばデパートに買い物に行ったりすると、床で泳ぎの練習を始めたりして親に迷惑をかけていたんです。ですが、将棋をやっているうちに落ち着きのあるような性格になっていきましたね。将棋をやっている子どもたちを見ていても変化があるお子さんっていうのはわかりますし、強くなるにつれてちょっと落ち着きが出てきて『人間的に磨かれてきたなぁ』と思うことはあります。子どもたちが将棋を指すことで、そういった良い影響があれば嬉しいなと感じますね。」

どの子もとても集中して対局していますね!|将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会

――とても穏やかな森内さんも、昔はやんちゃだったとは思いませんでした(笑)
森内さん「私は小学校6年生の時に将棋の世界に入ったのですが、昔を振り返ると『将棋をやって変わったなぁ』と思うことも多いですね。将棋では先が読めても、実生活ではなかなか先が読めないことも多いのですが『三手の読み*』は実生活でも考えていますね。予測しながら行動することは、常に効果的だと思います」

 

*三手の読み:「自分がこう指せば相手はこう指すだろう、そこで自分はこう指そう」というように、指す前に、三手先を読むこと。

将棋界から見た"2020年教育改革"

――教育業界の大きなニュースとして、今後グローバル化やAI(人工知能)が発達していく社会において、子どもたち自身が問題を解決して「生き抜く力」を身につけることを目的とした「2020年教育改革」が挙げられますが、特にAIの発達については、将棋業界にはどういった影響がありますでしょうか?
森内さん「ここ数年、将棋界は比較的AIと関係が深い代表的な世界と言えるでしょうね。正直「AIの進化」というのを批判的に捉えている棋士もいたのですが、次第に人間とAIの実力の差が小さくなり、AIが人間を超えて一区切りとなりました。現在では将棋界から見たAIは、『戦う相手』というよりも『いかにAIを活用して棋力*を上げていくか』というように変化しています。プロ棋士にとっては、非常に複雑なところではあるんですけれども、世の中の流れとして、AIの進化を受け入れて進んでいかなくてはいけませんね。」

 
*棋力:将棋の強さのこと。棋士は、さまざまな局面で最善手を指すために将棋の研究を日々行っているが、最近ではAIが出した答えをもとに研究を行うことが一般的になっている。

――AIに対しての受け止め方がポジティブ且つ柔軟で、AIと戦うのではなくAIを上手く活用していくという、まさに将棋そのものな気がします!
森内さん「そう思っていただけると嬉しいですね。子どもの教育という視点で見ると、日本では将棋の効用についてそこまで研究が進んでいないのですが、中国の一部の学校では、学校の授業に将棋を取り入れており『将棋を指すことによって、学業の成績が上がる』というデータもあるみたいですね」

将棋道場の様子。大人と混じって子どもたちも将棋を指しています

――確かに他の習い事と比べても将棋は「論理的に考える」要素が圧倒的に多い気がします。ちなみに日本将棋連盟では子どもたちの学校現場に向けた取り組みはあるのでしょうか?
森内さん「そうですね、当連盟では子どもたちへの将棋の普及を目的として「青少年棋道奨励基金」を立ち上げています。将棋教室や将棋道場以外でも将棋に触れてもらいたいので、学校現場へ将棋盤の貸し出しや子どもたちに将棋を教える講師を派遣しています。将棋は覚えてしまえば一生モノですので、多くの子どもたちに将棋をやってほしいと思っています。」

ママが気になる"将棋を始める費用"

――習い事として将棋を検討している親御さんからはどういったご相談が多く寄せられていますか?
森内さん「将棋教室の内容について聞かれることはありますが、全ての教室を把握している訳ではありませんので、分かる範囲でお答えしています。費用面ではそれほど高価な習い事ではなく、盤駒は安価なものもありますので、まずは親子ではじめてみてもいいかと思います」

 

――他の習い事と比べても、将棋は始めるハードルが低く、得られる効果も大きいので、正直子どもだけではなく老若男女問わずオススメですね!

将棋連盟の売店では、多数の将棋関連のアイテムが販売されています

もちろん将棋盤と駒も。数千円から購入することができるので子どもたちも将棋を始めやすいですね!

将棋を通して子どもたちに伝えたいこと

――最後に、将棋を通して子どもたちに一番伝えたいことを教えてください。
森内さん「そうですね、将棋をやっているお子さんはスポーツをやっているお子さんとくらべて、どちらかというと内向的な子が多いなと感じているんです。今、いじめが大きな社会問題になっていますが、そういったお子さんは学校で苦労することもあるかと思うんですね。そういった子が学校以外の社会との接点である将棋の会に来ることで、上手く立ち直ったという話も聞いたことがあります。何より、子どもたちが将棋を指して少しでも面白いと思って続けてくれると嬉しいですね。」

――ありがとうございます。たしかに「内向的」な子ほど内に秘めた強い思いやとてもユニークな考えを持っていたりしますよね。将棋がそんな子どもの可能性を受け止めて伸ばしていってくれるきっかけになるのかもしれませんね。本日はお忙しいなか本当にありがとうございました!
森内さん「ありがとうございました!」

編集後記

人気上昇中の将棋ですが、子どもの影響でママパパも将棋を好きになることが多いそうです。
将棋は相対する人がいて成り立つものなので、子どもと一緒に自然と親御さんも将棋を指す機会が生まれることが多いのだとか。
 

森内さん曰く、「どこかのタイミングで子どもが親に勝つ分岐点があるのですが、大体の親御さんはそこで将棋を辞めてしまいます(笑)」。なるほど、子どもを持つ親としてはとってもよく分かります(笑)。
 

子どもの大会での様子を聞くと「親御さんは子どもが大会に出場する際には、お子さん以上に応援に熱が入っているんですよ。親御さんたちは、大会の観戦スペースに入れないようになっているのですが、外から身を乗り出して見ている熱心な親御さんもいますね。私も理事として観戦しに行った際には親御さんの熱に圧倒されましたね。」とママパパの応援で白熱した様子を語ってくださいました。

熱心に子どもの対局の様子を覗く親御さん|将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会

決勝ステージでは勝負服の和装で対局します|将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会

「子どもと向き合って、一緒に何かを楽しむ」ことは、ひとり無言でスマホと向き合っていることが増えた世の中にあって、とても大切なことで、それが将棋であれば、始めるハードルが低く、集中力や論理的思考も鍛えられると・・かなり良いきっかけになるのではないでしょうか。

 

ちなみに日本将棋連盟のWEBサイトには日本将棋連盟内を見学できる申請方法も載っていますので、もし良ければ一度足を運んでみるのもアリかもしれません。
 
習い事メディアではありますが、今回の取材を通して感じたことは、将棋教室に通うことが少し難しいのであれば、まずは「将棋遊び」からスタートするのも全然アリだと思いました♪

テーブルマークこども大会は2019年度も開催される予定です!
2019年度の開催日程はテーブルマークこども大会WEBサイトをご確認ください。WEBサイトはコチラ

森内俊之

1970年生まれ。勝浦修九段門下の将棋棋士。十八世名人資格保持者。段位は九段。1987年(当時16歳)にプロ入りし新人王戦では史上最年少で優勝(当時)。その後2002年に初タイトルの名人を獲得。2004年には名人・竜王・王将を獲得し史上7人目の三冠王となった。2013年には竜王・名人を獲得し最高位のタイトルを独占する。2017年にフリークラス転身を宣言し、同時期に日本将棋連盟の専務理事に就任。

日本将棋連盟WEBサイト

※本記事は、2019年4月時点のインタビューに基づいたものです。
※記事内で登場した棋士の段位、タイトルは2019年5月現在のものです。

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