自立へのカギはコミュニケーション能力!演劇で育まれる成功体験

自立へのカギはコミュニケーション能力!演劇で育まれる成功体験

「この子はきちんと自立した大人になれるのかしら…」とお子さんの将来が心配になった経験はありませんか?実は子どもの自立には「コミュニケーション能力の高さ」が関係しているのだとか。そんなコミュニーション能力が育つ習い事として近年「演劇」が注目されています。今回SUKU×SUKU(スクスク)では、自らも俳優・脚本家・劇作家・演出家である久米伸明さんが運営されている『こども演劇プロジェクトN.G.A.』のブログから、演劇の知られざる魅力についてご紹介します。

習い事スクスク編集部

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今回教えてくれた人
久米 伸明(くめ のぶあき)
こども演劇プロジェクトN.G.A. 代表取締役
久米 伸明(くめ のぶあき)
こども演劇プロジェクトN.G.A.(New Generation Attack!)は、「演劇」という“自己を表現する”体験を通して、コミュニケーション力、問題解決力、セルフコントロール、集中力、協調性、自主性、感性など、子どもたちが社会を生きるうえで重要なチカラを育てる、演劇教育スクール。演劇のほか、ダンスや音楽などのレッスンも開講している。
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目次

自立に必要なのは「コミュニケーション能力」

小学生になっても朝自分で起きられない、ごはんを食べるのが遅い、宿題をなかなかしない……うちの子は自立できるのかしら?と心配になった経験のある親御さんは多いのではないでしょうか。

 

2015年に東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所が共同で実施した調査によると小学生のお子さんを持つ親御さんのうち51.2%と半数以上が「子どもが大人になったとき自立できるか不安である」と回答したそうです。

ですがお子さんに対して「どうしてできないの?」「しっかりしなさい。」と声をかけてもあまりよい効果が見られないのは親御さんたち皆さん、お気づきだと思います。

 

では、子どもが自立した大人へと成長していくためには何が必要で、どんなことができるのでしょうか?

久米さん

久米さん

「自立」とは「自力で生きて行く」というイメージから「一人で生きて行くこと」と勘違いされがちです。
 
でも社会は集団生活の場。つまり自立に必要なのは、「自分だけでなんとかする力」ではなく、「人ときちんと関わりあう力」であり、それはまさしく「コミュニケーション能力」です。

社会を生きていく上で必要なコミュニケーション能力が「自立」に大きく関わっていくのですね。

近年はSNSの普及や新型コロナウイルス感染症流行の影響により、人と人が直接会って会話をする機会が減少していますよね。子どもたちがコミュニケーションをとる機会をもっと増やしてあげたいと考える親御さんも多いと思います。

 

そこでコミュニケーション能力を伸ばすのに最適な習い事として近年注目されているのが「演劇」なのだとか。

久米さん

久米さん

海外では、演劇は「生きる練習」と言われています。学校の授業でも実践されており、子どもの成長過程において必須とされています。
 
近年は 日本でも「コミュニケーション教育」などと呼ばれ、文部科学省にも推薦されており、演劇が徐々に広がりを見せています。

演劇と聞くと、「一部の才能を持った人がするもの」「自分とは違う世界を生きる人たちがするもの」と遠い存在に感じている親御さん、お子さんも多いのではないでしょうか。ですが近年は一つの習い事として捉えられ始めているのですね。

「演劇」がコミュニケーション能力育成によい4つの理由とは?

お子さんがコミュニケーション上手な子に育ってくれたら親御さんとしては嬉しいことですよね。ですが、なぜ演劇がコミュニケーション能力の育成につながるのでしょうか。

 

「演劇がコミュニケーション能力育成によいと言われる4つの理由」を見ていきましょう。

1.演劇のトレーニング=コミュニケーション能力のトレーニング

コミュニケーションに必要なのは、相手の目を見て、自分の言葉を話し、伝えること。そして相手の言葉を聞いて、空気を読み、理解し、受け入れること。これは演劇でも同じことが言えるのだそう。

久米さん

久米さん

演劇では、 相手やお客さんに情報を伝えるためにニュアンスを駆使したり、気持ちを込めたり、効果的な身振りをしたり、また、受け手に回る場合もそれらを理解し受け止める力が要求されます。
 
つまり、演劇のトレーニングをすることは、コミュニケーション能力をトレーニングすることと同じなのです。

演劇は、ただ感情を込めてセリフを言うものではなく、じつは劇中の相手やお客さんとコミュニケーションをとっているのですね。よって演劇の練習すべてがコミュニケーションをとる練習につながっているというわけです。

2.架空の世界だから「コミュニケーションの成功体験」が積める

コミュニケーションが得意な子どもと苦手な子どもの違いは何だかわかりますか?一見、言葉を話すスキルにも思えますが、じつは「コミュニケーションが好きか嫌いか」なのだそう。

 

そしてコミュニケーションが嫌いな子どもは「相手に悪く思われたくない」という思いを強く持っていることが多いそうです。そのようなお子さんこそ演劇が向いているのかもしれません。久米さんはブログの中でこう語られています。

久米さん

久米さん

演劇で、コミュニケーションを好きになることができます。演劇は架空の世界なので、現実とは切り離して、感情を開放することができるのです。
 
そしてたとえ架空の世界であっても、自分の感情を出し相手の感情を受け入れるという経験は、コミュニケーションの成功体験として心に保存されます。

こうして成功体験が増え続けることで、やがて「誰かと会話して分かりあうことの喜び」を自然に理解し、いつの間にかコミュニケーションに対する苦手意識は払拭されるのだそうです。

 

現実でない架空の世界だからこそ、演劇は「失敗を気にせず楽な気持ちで会話するきっかけや体験」を与えてくれるのですね。

3.仲間と協力して成功させる舞台「協調性」「リーダーシップ」が身につく

演劇は一人では成立しません。仲間と切磋琢磨して造り上げていくものです。そのため「舞台を成功させる」という一つの目的を仲間と共有して協力し合う経験は、コミュニケーションに必要な「協調性」や「リーダーシップ」を育むものとなるのだそう。

久米さん

久米さん

「舞台を成功させる」という目的を全員が共有し、何度も仲間とぶつかり合い、支え合いながら、深い相互理解が促されていきます。
 
さらに演劇は「芸術」なので、年齢や経験年数よりも、一人ひとりの「個性」を大切にする気持ちが自然と芽生えます。 すると相手の個性を尊重したうえでの「協調性」や「リーダーシップ」を取る力が育ちます。

これらは社会に出ても重要なコミュニケーションスキルとなります。そんな武器を身につけた子どもなら、自立した大人へと成長していく姿が想像できますね。

4.リスクがある舞台「問題解決力」が身につく

舞台の本番は一度限りでやり直しが効きません。「失敗は許されない」という大きなリスクを仲間と共有するからこそ、仲間と向き合う必要が生まれ、子どもたちは自主的にコミュニケーションを取るようになるのだそう。すると問題解決力が身につくと久米さんはおっしゃいます。

久米さん

久米さん

コミュニケーションを取り合う環境を整え、リスクを理解してもらうことで、子どもたちは自主的に他者とコミュニケーションを取るようになります。
 
そして、本番に向けて他者と協力し合うことは問題解決力を養い、コミュニケーション能力を伸ばし、魅力的な人間を育成しています。

また、自主的にコミュニケーションを取るようになることで、こんなよい点もあるそうです。

久米さん

久米さん

集団の中で「自分はかけがえのない存在である」ことを認識でき、自己を追求する強い精神力と自信を得ることができます。

自分に自信を得る、それはつまり「自己肯定感が高まる」ということです。自己肯定感の高さと自立は相互関係にあると言われていますから、演劇で得るものは、お子さんが自立した大人へと成長していく糧となることは間違いありません。

 

以上、「演劇」がコミュニケーション能力育成によいといわれる4つの理由をご紹介しました。
コミュニケーションをとる機会が豊富に得られ、協調性・リーダーシップ・問題解決力が身につき、結果コミュニケーション能力が育っていくという演劇の魅力がおわかりいただけたと思います。

コミュニケーション能力の高い子どもは自分で考え行動することができます。そうして、どんなときも他人や環境、状況に左右されない、自立した大人へと成長していくのですね。

まとめ

日本ではまだあまり主流でない「演劇」ですが、じつはお子さんの成長を促す、たくさんの魅力がつまった奥深いものであることがわかりましたね。英語、プログラミングに並んで、日本でも「演劇」が小学生の必須科目となる時代がくるかも……?ぜひお子さんの習い事に「演劇」を考えてみてはいかがでしょうか。

今回ご協力いただいた教室

今回、取材にご協力いただいた『こども演劇プロジェクトN.G.A.』の詳細は以下のリンクからご覧ください。

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