フラダンスと聞くと、おでこを出した黒のロングヘアに華やかな衣装を着たダンサーが思い浮かぶのではないでしょうか。じつは衣装だけではなく、フラダンサーが皆同じ髪型をしているのは、深い意味があるのだそう。SUKU×SUKU(スクスク)では、東京都大田区蒲田のフラダンス教室『Halau Na Pua O Kualii』(ハーラウ ナープ アオ クーアリィ)主宰 首藤先生のブログから、フラダンスの髪型のルールについて紹介します。
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目次
フラダンサーは基本的に前髪を下ろさず、髪もロングヘアであることが推奨されていると、首藤先生はおっしゃいます。
おでこを出す理由は、フラダンサーの表情を見やすくするためなのだとか。
首藤先生
曲の内容によってダンサーの表現したいことは、表情に表れてくるので、その表情をしっかりと見て取れるよう、前髪で顔の表情を分かりにくくしてしまわないために、前髪を上げることが求められます。
フラダンスは、すべての動き一つひとつに「あなた」や「美しい」などの意味があり、曲のストーリーに合わせて振りが付けられています。
表情もまた、ストーリーを伝える重要な役割を持つため、顔がよく見えるようにおでこ出しは必須なのだそう。
さらにもうひとつのフラダンサーの特徴であるロングヘアには、次のような由来があると首藤先生はおっしゃいます。
首藤先生
ハワイアンの考え方として、髪には霊力(マナ)が宿るとされ、学んだことや知識が蓄積され、ダンサーの集中力を高めていくと言われています。
首藤先生曰く、ハワイアンの間では「髪に学びが蓄積される」と考えられているのだとか。
ハワイのダンサーたちは、フラのステージが終わったあとや新月のときなど、決まった時期に一斉に髪を切るそうです。
首藤先生
カットした髪は、新たに豊かな髪が育つよう、また新たに知識や智慧が髪に宿るよう祈りを込めて水辺に流したり、ある程度の長さを切る場合には、病により髪が抜け、ヘアウィッグが必要な人たちのためにまとめて寄付したりします。(ヘアの寄付を受け付けている団体があります。最近では日本でもヘアドネーション賛同サロンも増えましたね。)
ハワイアン、とくにフラダンスを学ぶ人たちはハワイの伝統や文化、風習を大切にしていると、首藤先生はブログで語ります。
髪は特別な力が宿るものとされているため、首藤先生がハワイでのレッスン中や外出中に髪を触っていて抜けた場合は、抜けた髪をゴミ箱に捨てず、持ち帰っていたそうです。
首藤先生曰く、日本のフラダンス界の髪型は昔に比べると自由な雰囲気になっているのだそう。
首藤先生
10~20年前、日本でもフラをやっている人は、ブワッーとボリュームのある黒髪ロングの方が多く、ひと目で「フラダンサーだな」と、分かる人が多かったけれど(自身もですが)最近は少しレイヤーが入っていたり、長さも少し短めになってきていると感じます。
教室によっては「前髪禁止」としている場合もあるのだとか。しかし首藤先生自身は、ヘアカラーを含め、レッスンやステージで前髪をポンパドール(前髪を膨らませて立ち上げる)にできれば、前髪を作ってもOKだと考えているそうです。
首藤先生
ある程度ステージ経験を積んでくると、大体この程度の長さやボリュームは必要だと加減が分かってくると思います。
中高生くらいになると「流行りの長さにしたい」「小顔に見せるため前髪は下ろしたい」と思うこともありますよね。
自由度が高くなりつつある日本のフラダンスですが、教室によって髪型の許容範囲はさまざまだそうです。お子さんが習い事として始める場合は、事前に身だしなみのルールを確認しておきましょう。
フラダンサーが皆おでこを出し、黒髪ロングである理由は、身だしなみを揃えることで、気持ちをひとつにする効果があるから、と首藤先生は語ります。
首藤先生
フラを始めたばかりの時点でショートカットの方には、シニヨン(お団子)にまとめられる程度には伸ばしていただいています。
フラはステージに立つ全員が気持ちをひとつにすることが大切なので、身だしなみも揃える必要があるのです。
首藤先生曰く、初めは髪が短くても伸ばしていけば問題ないそうなので、ショートカットのお子さんでも安心して習えますね。
全員同じ髪型で踊ることは、ステージ上での統一感を出すためなのはもちろん、精神面においても仲間と一体感を持つために重要なのだそうです。
『Halau Na Pua O Kualii』の首藤先生のブログより、フラダンスの髪型のルールについて紹介しました。
古くから伝わるハワイアンの教えが髪型にも込められていて、フラダンスの世界の奥深さを感じますよね。フラダンスを習うことは、ハワイの伝統や文化を知ることにも繋がるでしょう。
フラダンスは小さな子どもから年配の方まで世代を問わず、楽しめる習い事です。踊る人も見ている人も、幸せな気持ちになれるはず。ぜひ一度、フラダンスの世界に触れてみてはいかがでしょうか。
今回、取材にご協力いただいたHalau Na Pua O Kualiiの詳細は以下のリンクからご覧ください。
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